夫ができる出産準備について、まとめてみました。出産に立ち会う前、予定日が迫る前、実際に陣痛が始まったときに分けて、準備しておいた方がいいことを紹介しています。人生の大切な思い出になる大きな出来事ですから、妻の体・心のサポートをしっかりできるように、夫ができることをチェックしておきましょう。
出産準備で夫がすべきこと ①出産に立ち会う前に
会社関係の人に報告
出産する予定日が近づいても、実際にその日に生まれるとは限りません。とくに、初めてのお子さんだと、予定日自体が数日~数週間伸びることも少なくありませんし、陣痛が始まっても半日程度そのままの状態が続くこともありえます。
そのため、勤務している会社の上司には、実際に出産に立ち会うことを事前に報告しておき、予定日付近で会社を早退するなどがありえることを、先に伝えておいた方が賢明です。無事に子供が生まれたあとで有給休暇を使う可能性があれば、そのことも報告しておき、自分が今後とる可能性のあるものは提示しておくべきでしょう。
病院で出産までの流れと経過を確かめておく
出産時に病院でどのような対応・保護をしてくれるのかは、個々の病院によって異なる場合があります。立ち合い出産でやっていいこと・いけないことなどをチェックしておき、当日に備えましょう。
出産に立ち会うのが初めての場合、わからないことや不安になることも少なくないです。事前に両親学級を夫婦そろって受ける必要があったり、立ち合いに際しての書類をもらって目を通したりしておくなど、出産に関する知識を、夫も付けておいた方がいいでしょう。
出産時の呼吸法・マッサージのやり方を覚えておく
夫が考えている以上に、実際に出産する妻への体・精神的な負担は大きいものです。とくに陣痛が始まると、可能な限り適切な対応方法を覚えておかないと、母体への負担を増やしてしまうことにもつながります。
そのため、奥様を安心させるためにも、呼吸法・マッサージのやり方は習得しておきましょう。
陣痛が起きたときには、体に取り込まれる酸素が不足しないように、適切な呼吸法を行う必要があります。痛みで呼吸すること自体を忘れたり、呼吸自体が乱れたりしてしまうと、実際に子供を産むときの体への負担が大きくなってしまいます。
そのため、助産師さんの声を聴いて呼吸するなど、産むときのことを想定して練習しておきましょう。また、陣痛が始まったときのマッサージ法も習得しておくと、不安になっている奥様を安心させることができます。陣痛で苦しむ妻を見てオタオタするよりも、どっしり構えてケアできる余裕は持っておいた方が賢明です。
出産準備で夫がすべきこと ②出産予定日が間近に迫る前に
立ち合い出産には誰が参加するか?をチェックしておく
夫が立ち合い出産に臨み、その他の親族は陣痛が始まって駆けつけた場合、分娩室に入っている夫以外は、病院の他の部屋や廊下で待つ必要があります。実際に子供が無事に生まれるまでやきもきするでしょうが、分娩室に親族を通してもよいか、妻に確認しておきましょう。
初めての孫の出産、妻の実母・父だと、生まれる子供の様子が気になって仕方がないと思います。また、出産する妻の体調・状態を心配する気持ちもあるでしょう。しかし、夫が自分の考えで分娩室に親族を通すのは辞めた方が良いです。
妻自身が、苦しんでいる自分の姿や、裸に近い状態の自分の姿を見られるのは、抵抗があります。勝手に親族を入れると、出産後に「あれはやってほしくなかった」と口論になる可能性もあります。現在は、分娩後まで同じ部屋にいることができるLDR(陣痛・分娩・回復の頭文字をとった名称)を選べる場合もありますが、そんなときにこそ、立ち会ってほしくない人が一緒になる事態は避けるべきです。
記念撮影はどうするか?
出産するときに写真・ビデオに実際の姿を収めたいという方も少なくないでしょう。大事な夫婦のイベントですし、あとで見返したときによい思い出になることは間違いありません。
しかし、事前に病院側に確認して、撮影をしても大丈夫かどうか、妻にも聞いて撮ってよいシーン・逆に撮影してほしくないところを聞いておきましょう。
病院・産院によっては、衛生の観点からビデオの持込を禁止しているところもあります。このご時世ですから、殺菌・消毒を徹底しているところが少なくないので、事前に確認するのは必須です。また、撮影がOKだったとしても、撮るのに夢中になりすぎて、妻へのケア・声かけを忘れたら本末転倒になってしまいます。
2人目~の出産の場合、すでに生まれている子の面倒は誰が見る?
初めての子供なら心配はいりませんが、2人目よりあとの出産だと、すでに生まれている1人目の子供さんの面倒は誰が見るのか?を忘れないようにしておきましょう。年子だったり、生まれた子がまだ小さかったりする場合、生まれる赤ちゃんのことばかりに集中しすぎないことが大切です。
子供さんが一人でも大丈夫な子か、出産に立ち会わせるかどうかによって、親族の誰かが当日に一緒にいる必要があるか?など、よく話し合っておいた方が、出産当日に慌てなくてすむでしょう。子供によっては、お母さんが懸命に子供も産む姿を、苦しんでいると錯覚するかもしれません。
立ち会うときには、医師・助産師・看護師さんたちの邪魔をしないよう、周りの医療器具に触らないことを教えておくなども、お父さんが気をつけてあげてください。
出産準備で夫がすべきこと ③予定日当日にできること
呼吸法をしっかりマスターしておく
出産のときに大切なのは、知っている人も多い「ラマーズ法」です。実際に分娩台に奥様が到着し、出産するときには、呼吸に集中させるようにして、わずかでも苦しみが軽減できるようにしてあげることが大切です。
2人目・3人目と何度も出産を経験している人なら大丈夫かもしれませんが、初産の場合だと、子供が生まれること・痛みの強さに気が動転してしまい、呼吸法を忘れてしまうことも少なくありません。呼吸自体を忘れてしまうと、痛みが強くなるだけでなく、母体・子供にも悪影響が出る可能性もあります。
そのため、夫は呼吸法をしっかり覚えておき、出産当日に妻の支えになれるようにしておくべきです。しかし、呼吸法は必ずこのリズムで行う、といった決め事はないので、出産現場で神経質になりすぎることはりません。
できるだけ痛みが和らぐような準備をしておく
陣痛が始まり、病院・産院に到着するまでは、妻の体、とくに腰や背中をなでてあげることで、痛みが軽減する場合があります。それだけでなく、精神的にも落ち着かせるためにも、体をさする・なでることを忘れないようにしましょう。
また、実際に妻の体に触る場合は、どこをさすればいいか、どのくらいの強さで行うかどうかは、妻に確認しながら行う方が良いです。出産後の声を聴くと、「夫がなでてくれたのはよかったけど、力加減がちょっと強かった」と方が多数いらっしゃいます。
出産日の前に、マッサージを覚える意味でも、妻の体で練習しておいたり、腰・背中を押さえるためのテニスボールなどを用意しておいたりするのも良いでしょう。分娩室に入るまで、長時間さすり続けるのは大変かもしれませんが、奥様はそれよりも苦しい出産の痛みに耐えているので、夫も我慢強くケアしてあげてください。
奥様の負担をできるだけとるために、精神的な支えになるためにも、出産準備にあたって夫ができること・すべきことはたくさんあります。情報収集を怠らず、万全な準備をしておきましょう。