●妊娠中の健康管理と母子手帳
妊娠中の健康管理は、お母さんと赤ちゃんの幸福を守るために不可欠なステップです。母子手帳の受け取りや産前の健康診断、お薬の相談など、ここでは妊娠中の健康管理について詳しく見ていきましょう。
・母子手帳の重要性
母子手帳は妊娠中から産後にかけての健康管理に欠かせないツールです。健康情報や予定日、産院の連絡先などが記載されており、産院での受診や医療機関との連携に役立ちます。出産前準備として、住民登録している市区町村役場または保健センターで受け取ることができます。妊娠届を提出し、母子手帳を交付してもらいましょう。大切な情報をしっかりと記入し、健康管理を行いましょう。
・健康診断とお薬の相談
妊娠中はお母さんの健康も赤ちゃんの健康も大切です。定期的な健康診断を受け、お医者さんとのコミュニケーションを大切にしましょう。また、お薬の相談も重要です。妊娠中に使用する薬は慎重に選ばなければならないため、医師に相談して安全な方法で症状を管理しましょう。
●出産前の手続きと休暇制度
出産前準備として、産前産後休暇や出産に関する給付金を利用する方法について見ていきましょう。お母さんと赤ちゃんの健康と幸福を支えるために、これらの制度を上手に活用しましょう。
・産前産後休暇の取得
産前産後休暇は、出産に向けてお母さんが安定した健康状態を保つために利用する休暇制度です。出産予定日6週間前(多胎児は14週間前)から産前休暇が取得できます。また、産後8週間は原則働くことができません。勤務先と相談して適切なタイミングで休暇を取得することが大切です。
なお、会社側は、従業員の産前産後休暇の取得に応じて「産前産後休業取得者申出書」を年金事務所に提出し、社会保険料の免除を受けられるよう手続きします。出産前準備として、こういった手続きや産休中に業務が滞らないよう、いつまで休みを取得する予定なのか、出産予定日や実際に出産した日を報告するなど、勤務先と確認を取り合いましょう。
・出産育児一時金と出産育児付加金
出産や育児に伴う経済的なサポートとして、出産育児一時金や出産育児付加金が利用できます。妊娠4カ月(85日)以降での出産で受け取れる給付金で、金額は子ども1人につき50万円(産科医療補償制度に加入していない産院での出産は48万8000円)です。会社員や会社員の扶養者は勤務先の健康保険組合から、自営業者は国民健康保険から給付されます。
受け取り方は、「直接支払制度」と「受取代理制度」の2種類あります。病院によって異なるので事前に確認しておくといいでしょう。また、勤務先や自治体によっては、出産育児付加金が支給されることもあります。病院には出産育児一時金の受け取り方を、勤務先・自治体には出産育児付加金の有無を確認しておきましょう。
●安心して育児に専念するための給付制度
出産後も安心して育児に専念するためには、育児休業給付金や失業給付金といった給付制度が重要です。これらの制度をしっかりと理解しましょう
・育児休業給付金の取得
産休後から赤ちゃんが1歳になるまでは育児休業が取得できます。この期間中に雇用保険から受け取れるのが「育児休業給付金」です。対象は、雇用保険に加入していて、育休前の2年のうち1カ月に11日以上働いた月が12カ月以上あるなどの条件を満たした人です。出産後も仕事を続けることを条件としており、妊娠を機に退職した場合は給付対象になりません。
金額は、育休開始~6カ月までは休業開始時の給料の67%が、6カ月以降は、50%になります。申請には育児休業給付支給申請書などが必要です。産休前に手続きなどについて勤務先に確認しましょう。
・失業給付金の利用
失業給付金は、雇用契約が終了した場合や失業した場合に支給される制度です。出産前準備として、出産を機に仕事を辞めて、その後に再就職したいという場合は、失業給付金の申請をしましょう。
失業給付金は通常、退職してから1年以内に受給期間が終わります。ただし、妊娠・出産が理由での退職の場合、申請すれば、受給期間を+3年間(子どもが満3歳の誕生日を迎えるまで)延長することができます。
受給額は、働いた期間や退職理由、年齢によっても変わります。そのため、妊娠で退職して、その後働く意欲がある場合はハローワークに問い合わせをして、手続きや受給額について確認しましょう。
●まとめ
妊娠中のお母さんは、健康管理や手続きを通じて安心して出産と育児に臨むための準備を整えることが大切です。母子手帳の受け取りから産前産後休暇、給付金の利用まで、地域の制度を理解し、必要な手続きを進めましょう。お母さんと赤ちゃんの新たな未来が、幸せで安心なものとなるよう、出産前準備をしっかりと整えていきましょう。